2007年08月14日
『形見』
皆さんは三日三晩、泣いたことがあるでしょうか?
自分のおじいちゃん、おばあちゃんが亡くなった時もそんなには泣き
ませんでしたし、好きな女の子とさよならした(された?)時もさすが
に三日は泣きませんでした。
実は、昨年の丁度お盆の頃にとてもお世話になった方が亡くなりま
した。私が小学生の時からお世話になっていて、“自分の親以上に
お世話になった”と言っても言い過ぎではないと思います。
共通の知人からの訃報の電話で知ったのですが、あまりの突然の
事に信じられず、次の瞬間にはもう泣き出していて電話ができる状態
ではありませんでした。それからずっと泣きっぱなしで、泣いている
私の姿を見てカミさんとうちの子も泣き出してしまいました。それから
三日三晩泣いていたわけですが、三日どころかその方を思い出すた
びいつも泣いていました。
キャンプが好きな方で、よく連れて行ってもらいました。車のサンバイ
ザーにはサングラスが3つも挿してあり、
「なんで3つもあるんですか?」と、聞いたところ
これは街歩く用、
これは車運転する用、
これはナンパする用、とのことでした。
カッケ~(カッコいい)と思ったので、中学生になった私はレイバンの
サングラスを買いました。
キャンプではパーコレーターで沸かしたコーヒーをよく飲んでいまし
たが、砂糖、ミルクなしで飲んでいたので初め、よくこんな苦い飲物
飲めるな~、と思っていましたが高校生になった私は学校のとある
部屋に畳を持ち込んでひいて、休み時間にはコーヒーを沸かして飲
むくらいコーヒーが好きになりました。もちろん、その時から今でも
コーヒーはブラックです。
高校生というと、おしゃれな洋服にお金を使ったり、バンドなどの楽器
にみんなお金を使っていましたが、私はお小遣いやバイト代なんかは
全てキャンプ道具につぎ込んでいました。
週末はテントや寝袋を持って仲間とキャンプに行っていました。
(よって、この頃はサバゲやエアガンから離れていたわけです)
高校、大学くらいになると、その方のお子さんも小学校の中学年くら
いになり、私がお子さんの遊び&お守り担当でした。
オーストラリアから輸入した子羊を丸々1匹、焚き火で丸焼きにして、
焼けたところからナイフでそぎ落とし食べたりしました。次の日、残っ
た骨でダシをとり、そのスープで作ったカレーのうまいこと!今でも忘
れられません。また、生きているニワトリをキャンプ場に連れて行っ
て、その場で絞めて、羽をむしって、解体して丸焼きにもしました。
残酷と思われるかもしれませんが、普段簡単に口にする鶏肉が食材
になるまでの大変さと、命の尊さを学んだ気がします。
サングラスだけでなく、時計にも凝っていてロレックスからスウォッチ
まで、会う度に違う時計をしていました。ある日、一際目を引く時計を
している時がありました。とてもシンプルなデザインなのですがその
完成された造形に私は魅了されました。
ポルシェやジウジアーロにもひけをとらないその美しさと言ったら!
一目でその時計の虜になってしまいました。
それが、この時計、『Ω(オメガ)シーマスター プロフェショナル』です。
本体の大きさもあまり大きくなく、手の小さめな私にはぴったりです。
そして、この亀の甲羅を連想させるバンドがなんともいえません!
ブランドものの時計の主流は手巻きや自動巻きなどの機械式の時計
がほとんどですが、これはクォーツ式です。でもそんな事はちっとも
かまいません。そのデザインに惚れ込んだ時計なのですから。
私があんまり、カッコいぃ~とか、ほすぃ~とか、言うもんで、ついに
その時計を頂くことになりました!
その、『Ω シーマスター』を頂いてからもう15年以上経ちますが、後
にも先にも、ブランド時計と言われるものはこれ1本しか持っていま
せん。何度電池交換をしたか忘れましたが、今でも大切に使ってい
ます。
また、私の実家のすぐ近くに一流のホテルがあり、その方は、よく
そこで食事をしていました。家が近いのでよく電話でホテルに呼び
出されて、食事をご馳走になりました。お子さんと私の誕生日が
いっしょなので、誕生日の食事会に私も呼ばれる事もありました。
バーやラウンジにボトルキープしているお酒があったのですが、
それがこのスコッチ ウィスキー 『ロイヤルハウスホールド』です。
今はラベルに定冠詞 の「The」が付いていないのですが、昔は付い
ていて、「Theが付いていないとヤダ~」とか言って、「The」が付い
ている前のラベルの瓶に中身を移し変えていたのを覚えています。
この『ロイヤルハウスホールド』ですが、このウィスキーは世界の3つ
の場所でしか飲むことができないと言われたそうです。
一般にこのウィスキーを飲むことができるのは、世界中で日本だけ
のようです。
(ここらへんのお話は銀角さんがよくご存知かもしれませんね)
当時はそんな歴史的な背景も何も知らず、「おいしいお酒だな~」
と水割りで頂いていたのですが、今回、歴史的背景を知ってビック
リ!値段を知ってもっとビックリ!(どおりでうまいわけです)
いろんなものをご馳走になったり、時計の他にもキャンプ用品など
を頂きましたが、私がほんとうの意味でもらったのはそういった物
ではないんですね。“あのひとのようになりたい”というあこがれの
想いが全てだと思います。
まだまだ今の私では、カッコいいあこがれのひとにはまったくなれ
そうにありませんが・・・。
早いもので、一周忌を迎える事となりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
自分のおじいちゃん、おばあちゃんが亡くなった時もそんなには泣き
ませんでしたし、好きな女の子とさよならした(された?)時もさすが
に三日は泣きませんでした。
実は、昨年の丁度お盆の頃にとてもお世話になった方が亡くなりま
した。私が小学生の時からお世話になっていて、“自分の親以上に
お世話になった”と言っても言い過ぎではないと思います。
共通の知人からの訃報の電話で知ったのですが、あまりの突然の
事に信じられず、次の瞬間にはもう泣き出していて電話ができる状態
ではありませんでした。それからずっと泣きっぱなしで、泣いている
私の姿を見てカミさんとうちの子も泣き出してしまいました。それから
三日三晩泣いていたわけですが、三日どころかその方を思い出すた
びいつも泣いていました。
キャンプが好きな方で、よく連れて行ってもらいました。車のサンバイ
ザーにはサングラスが3つも挿してあり、
「なんで3つもあるんですか?」と、聞いたところ
これは街歩く用、
これは車運転する用、
これはナンパする用、とのことでした。
カッケ~(カッコいい)と思ったので、中学生になった私はレイバンの
サングラスを買いました。
キャンプではパーコレーターで沸かしたコーヒーをよく飲んでいまし
たが、砂糖、ミルクなしで飲んでいたので初め、よくこんな苦い飲物
飲めるな~、と思っていましたが高校生になった私は学校のとある
部屋に畳を持ち込んでひいて、休み時間にはコーヒーを沸かして飲
むくらいコーヒーが好きになりました。もちろん、その時から今でも
コーヒーはブラックです。
高校生というと、おしゃれな洋服にお金を使ったり、バンドなどの楽器
にみんなお金を使っていましたが、私はお小遣いやバイト代なんかは
全てキャンプ道具につぎ込んでいました。
週末はテントや寝袋を持って仲間とキャンプに行っていました。
(よって、この頃はサバゲやエアガンから離れていたわけです)
高校、大学くらいになると、その方のお子さんも小学校の中学年くら
いになり、私がお子さんの遊び&お守り担当でした。
オーストラリアから輸入した子羊を丸々1匹、焚き火で丸焼きにして、
焼けたところからナイフでそぎ落とし食べたりしました。次の日、残っ
た骨でダシをとり、そのスープで作ったカレーのうまいこと!今でも忘
れられません。また、生きているニワトリをキャンプ場に連れて行っ
て、その場で絞めて、羽をむしって、解体して丸焼きにもしました。
残酷と思われるかもしれませんが、普段簡単に口にする鶏肉が食材
になるまでの大変さと、命の尊さを学んだ気がします。
サングラスだけでなく、時計にも凝っていてロレックスからスウォッチ
まで、会う度に違う時計をしていました。ある日、一際目を引く時計を
している時がありました。とてもシンプルなデザインなのですがその
完成された造形に私は魅了されました。
ポルシェやジウジアーロにもひけをとらないその美しさと言ったら!
一目でその時計の虜になってしまいました。
それが、この時計、『Ω(オメガ)シーマスター プロフェショナル』です。
本体の大きさもあまり大きくなく、手の小さめな私にはぴったりです。
そして、この亀の甲羅を連想させるバンドがなんともいえません!
ブランドものの時計の主流は手巻きや自動巻きなどの機械式の時計
がほとんどですが、これはクォーツ式です。でもそんな事はちっとも
かまいません。そのデザインに惚れ込んだ時計なのですから。
私があんまり、カッコいぃ~とか、ほすぃ~とか、言うもんで、ついに
その時計を頂くことになりました!
その、『Ω シーマスター』を頂いてからもう15年以上経ちますが、後
にも先にも、ブランド時計と言われるものはこれ1本しか持っていま
せん。何度電池交換をしたか忘れましたが、今でも大切に使ってい
ます。
また、私の実家のすぐ近くに一流のホテルがあり、その方は、よく
そこで食事をしていました。家が近いのでよく電話でホテルに呼び
出されて、食事をご馳走になりました。お子さんと私の誕生日が
いっしょなので、誕生日の食事会に私も呼ばれる事もありました。
バーやラウンジにボトルキープしているお酒があったのですが、
それがこのスコッチ ウィスキー 『ロイヤルハウスホールド』です。
今はラベルに定冠詞 の「The」が付いていないのですが、昔は付い
ていて、「Theが付いていないとヤダ~」とか言って、「The」が付い
ている前のラベルの瓶に中身を移し変えていたのを覚えています。
この『ロイヤルハウスホールド』ですが、このウィスキーは世界の3つ
の場所でしか飲むことができないと言われたそうです。
一般にこのウィスキーを飲むことができるのは、世界中で日本だけ
のようです。
(ここらへんのお話は銀角さんがよくご存知かもしれませんね)
当時はそんな歴史的な背景も何も知らず、「おいしいお酒だな~」
と水割りで頂いていたのですが、今回、歴史的背景を知ってビック
リ!値段を知ってもっとビックリ!(どおりでうまいわけです)
いろんなものをご馳走になったり、時計の他にもキャンプ用品など
を頂きましたが、私がほんとうの意味でもらったのはそういった物
ではないんですね。“あのひとのようになりたい”というあこがれの
想いが全てだと思います。
まだまだ今の私では、カッコいいあこがれのひとにはまったくなれ
そうにありませんが・・・。
早いもので、一周忌を迎える事となりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。